東京本をご覧になって当ブログへお越しになった方へ 「せっかく東京へ行くんやしぃ江戸前のお寿司を食べたいわー せやけど、どないして注文してええんか、わからへんのや」 ■注文のスタイル ![]() “お好み”というのは、自分の食べたいものをその都度注文するスタイル。 何を、いつ、いくつ、どうやって食べるかを自分で決められます。 “おまかせ”というのは、要望や嫌いなものだけ言って、 何を握るかとその順番は職人さんに任せる注文の仕方です。 最近は“おまかせコース”という設定があるお店も多い。 これは酒肴や握り鮨の構成が決まったコースで、 本来の職人に任せるという本来の意味での“おまかせ”とは異なります。 “一人前”というのは定番のすし種を組み合わせた一種のセットメニュー。 だいたい握り鮨7つと巻物というのが標準的な量です。 ![]() すし通的に表現すると、 “好きなものを好きなだけ食べられるのがお寿司の良いところ。 お好みで食べるのがカウンターで食べる醍醐味”というなるでしょう。 でも、江戸前鮨の初心者で、しかも初めてのお店であれば “おまかせ”で注文するのが無難です。 かつては“お好み”あるいは“一人前”に追加するのが普通でしたが、 今では“おまかせ”というスタイルで頼むお客さんがかなり多い。 お寿司屋さんに限らず、“おまかせコース”しかないレストランって お店の都合ミエミエで感じ悪いですが、基本はお好みに対応しつつ、 おまかせしてもひと通り見繕ってくれるようであれば問題ありません。 ![]() ■それぞれの特徴 《“おまかせ”》 ◇金額が読める。 そのお店の値段や各すし種の相場を知らなくても大丈夫 「おまかせだといくらですか?」と訊いてからお願いすれば安心 ◇ごちそうする際、相手に気を遣わせないで済む。 誰かにお寿司をごちそうする場合「好きなモノを食べて」と 言っても、遠慮してなかなか注文しない人もいます。 バブルの頃からお寿司屋さんで“おまかせコース”が多くなったのは 接待で使われることが増えて、この点がポイントになったせいかもしれません。 ◇注文のタイミングを図らずに済む。 もちろん、お店では気を配って客の様子を伺っていますが、 やはり混雑してくると、遠慮がちな方は頼みづらいでしょう。 (特に初めてのお店であればなおさら) また、会話が大事な場で注文のために会話が途切れることもない ![]() ◇すし種の知識がなくても済む 例えば、江戸前鮨には関西では普通の“鰻の握り”は基本的にありません。 それはそれで、話のきかっけになるかもしれませんが(笑) また、旬のすし種には何があるのかを知らなくても大丈夫 ◇新しい発見があるかも。 “お好み”だと、ついつい同じようなものを頼んでしまいがちです。 《“お好み”》 ◇自分の食べたいものを食べられる。 好き嫌いの多い方や小食な方にはいいですね。 ◇食べた物と量に応じた金額になる。 たくさん食べたら大きな金額、少なければ小さな金額、 同じ量でも高いすし種を食べたら大きな金額になる。 私のように比較的廉価なすし種が好きだと “おまかせ”よりも安くあがることが多いです。 ![]() ◇自分の食べたいペースで食べられる。 今回のお店にはありませんが、中には “おまかせ”だとこちらのペースにお構いなく、 どんどん握ってくるお店もあります。 (そういうお店は「寿司は出たらすぐに食べるモンだ」なんて言う資格なし!) ◇自分の食べたい食べ方で食べられる 蝦蛄は私の好きなすし種ですが、カツブシ(子持ち)ならつまみで、 そうでなければ握り鮨で食べたい ◇何を食べるか相談しながら食べられる。 例えばフレンチやイタリアンのレストランで お店側と相談しながら 次の料理を作ってもらったら 皆さんの習性として好感度はアップするのでは?(笑) また、「白身を食べたいけど何がありますか?」と訊けば どんなすし種を揃えているかわかりますし、 今の時期であれば「新子をもうひとつ」と言うと 「すみません、新子のおかわりは勘弁してもらっているんです。 それはコレコレこういう理由でして・・・」のように話が発展するかもしれません。 ![]() でも「今日のオススメはなんですか?」なんて野暮なことを訊くくらいなら 最初から“おまかせ”にした方がいいですよヾ(^o^;) 《“一人前”》 ◇相対的に廉価な設定です。 普段使いには有効な定番のセットですが、 “せっかく東京に来たんやしぃ”という コンセプトには合わないかな… ![]() 予算の都合がある場合や大食漢がいる時には 一人前を頼んで追加するのも有効でしょう。 この一人前のお寿司を“お決まり”と呼ぶ人もいますが、避けた方が無難 任せるという意味の“おまかせ”に対して“おまかせコース”を “お決まりのおまかせ”と呼ぶお店もありますので。 ただし、最近はこの“一人前”設定のないお店もあります。 また、廉価になっているには理由があります。 次項の“ランチメニュー”を参考にしてください。 ![]() ■ランチメニュ-について ランチメニューのあるお店、ランチにはばらちらしなどがあるお店、 ランチメニューはないけど、一人前があるお店、いろいろあります。 いずれにしても比較的廉価な設定になっています。 値段が違うのには理由があるわけで、 安いすし種が主体となる、同じすし種でも安い種類になる、 全く同じすし種でも薄いとか端っこの部位になる、等。 従って、ランチメニューや一人前のお寿司だけを食べて、 それだけでそのお寿司屋さんを語るのは無理があります。 雰囲気や接客、握り方、すし飯などはある程度わかるでしょう。 ![]() なぁ~んて格好をつけて書きましたが、今回のお店なら ランチのお寿司でも充分おいしいと思ってまーす! もちろん、昼でもお好みやおまかせで食べることもできます。 そうそう、 ランチや一人前の握り寿司ではすし飯が大きいことがあります。 それは飲みながらつまむ場合とは異なり、“食事”だからという 一種の気遣い。似たようなケースでは、夜でも出前だと大きめに握る、 食べ盛りの子供連れだとすし飯を大きく握る、ということもあります。 ■比較はこちら 梅乃寿司・・・「お好み」、「おまかせ」、「ランチ(にぎり)」、「ランチ(穴子ちらし)」 新富寿し・・・「お好み」、「おまかせ」、「一人前」 鮨青木・・・「おまかせ」、「ランチにぎり」、「ランチにぎり(盛り込み)」 都寿司・・・「おまかせ」、「おまかせコース」、ランチ「いろどりちらし」、「お好み」 寿司大・・・「おまかせ」 参考 二葉鮨・・・「おまかせ」、「一人前」、「お好み」、「ばらちらし」 鮨処すけろく・・・「おまかせ」 前々回の記事 ⇒東京のお寿司「お店のスタイル」 前回の記事 ⇒ 東京のお寿司「記事内の言葉について」 元に戻る ⇒ 東京本vol.3 特集「東京のお寿司」 |
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